すべてを知る証人

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少年時代のある程度までの証言はほのぼのとしたエピソードもあり、淡々と進んでいった。 やがて両親が離婚し、施設に預けられてから窃盗や弱い者虐めなど彼の素行は悪くなってゆき、常導神はそれを諫めたと付け加える。 『聞こえた覚えはねぇよ!それに家庭環境の悪さにも原因はあるさ!』 時折毒づく研次に坊鬼がぴくりと反応し、彼を睨む。その度に彼は心根の矯正を余儀なくさせられた。 そんな状況下にありながらも怯まぬよう気を保つ研次だったが、やがて常導神の声に呻くようなものが混じった時、彼の異変に気づいた。
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