第6章 五騎士選抜編

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 私の目に届く範囲であれば、いくらでも手助けのしようがありますからね。  無茶をすると分かっている以上、何もしないという選択肢は存在しません。 「ふふ、いいわ。アデルの目の届く範囲でのみにしましょう。――ちゃんと、見ていないと駄目よ?」 「もちろんですとも」  握っていた手を離し、片方の手だけをもう一度取ると片膝をつき、手の甲に誓いの口づけをします。  見上げるとリーゼロッテは顔を赤く染めつつも、微笑んでいました。  後ろの方から、 「うむ! 何とも微笑ましいな。そうは思わぬか? ゼクス、ノイン」 「微笑ましいっちゅうか、めっちゃ甘いコーヒーを飲んでる気分ですわ」 「そうっスね。甘すぎて何というかごちそうさまって感じっス」  という声が聞こえていますが、私は気にしないでおきましょう。  同じく聞こえたであろうリーゼロッテは――ああ、耳まで赤くなって俯いてしまっています。  俯きながら「べ、別にそんなんじゃないんだから……」と呟いていますが、この様子であれば大丈夫でしょう。  さて、対戦相手であったコレットの方はどうでしょうか?  ソフィアが回復させているはずですが――。  コレットの方へ顔を向けると、ソフィアが【女神の癒し手(パナケイア)】を発現させた後のようです。 「ソフィア先生。コレット先輩は大丈夫ですか?」 「アデル君。外傷は完璧に治したのです。意識も戻っているのですが、様子がおかしいのです」 「様子がおかしい、ですか?」  コレットを見ると、目は開いているので確かに意識はあるようですが、先程までと打って変わって大人しいですね。  地面に座り込んだまま、一点をボーッと見つめています。  完全に意識が覚醒しているわけではないということでしょうか? 「コレット先輩。お身体の調子はいかがですか? どこか気になるところはございませんか?」
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