第6章 五騎士選抜編

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 いくら考えても答えは出ないと意識を切り替えた私は、自室に備え付けられたベッドから起き上がり、大きく背伸びをします。  そういえば、明後日にはシャルロッテたちが帰国するのでしたね。  確か、オルブライト国王が直々に迎えにやって来るということですが、どのような御方なのか。  まあ、シャルロッテを見ていればおおよその見当はつきますが、当日のお楽しみということにしておきましょう。 ◇  そして、シャルロッテ達の帰国当日。  朝食も摂り終え、帰国の身支度も済ませたシャルロッテ達を見送るべく校門に向かおうとした私達に、「そっちではないぞ」と口を開くシャルロッテ。  彼女は校門とは反対側の校庭に向かって歩き始めました。 「シャル様、校門からでないとお迎えの車は来ないのではありませんか?」 「フハハ、アデルよ。心配は無用だ」  そのままスタスタと前を歩くシャルロッテ達に困惑しつつも、私たちは彼女の後ろについていきます。  やがて目的地である校庭に到着します。  広さは縦横百メートルほど。  庭というには広いですし、かといって運動をするには少々狭い場所ですが、運動部は存在しないので関係ありません。  シャルロッテは腕組みをすると、何かを待つようにジッと空を見上げながら立っています。  試しに私も空を見上げて彼女と同じ方向を見ますが、特に何も見えません。  ふむ、心配無用ということは、ここで待っていれば迎えが来るということなのでしょうが。 「シャル! ずっと黙ってないで説明しなさい。何で校門じゃなく、校庭にいるのよ」  しびれを切らしたリーゼロッテが、シャルロッテに歩み寄っていきます。  ガウェインとエミリアは私の隣で心配そうに見つめるばかり。  シュヴァルツはというと――「とても大事な用事があるからアデル君に任せる」と言って見送りを私達に任せ、一人足早に去っていきました。  話を聞いた時にも思ったことですが、よほどオルブライト国王と顔を合わせたくないようですね。  【五騎士】筆頭がそれでいいのでしょうか……。
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