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第二王子の名前はギルバートというようですね。
ですが、第二王子が直接リーゼロッテと会ったことはないはず。
いったいどこで……?
「リーゼロッテ様は現在、どなたとも婚約をされていないとお聞きしております。是非、一度ギルバート様とお会いしていただけないかと。正式な書状はこちらでございます」
アルバートが懐から一枚の書状を出しました。
書状に目を通した公王の手がぶるぶると震えています。
「こ、この書状に書いてあることに間違いないのか?」
「私は書状の内容を知らされておりません。ですが、それはギルバート様が直接書かれたものでございます。であるならば、全て真実かと」
二人の後ろに控えている以上、公王がどのような表情をしているかは分かりません。
しかし、何度も書状とアルバートを見返すほどです。
よほど重要な内容が書かれているのでしょう。
「……お父様。どのようなことが書かれているのですか?」
リーゼロッテが公王に問いかけると、公王はアルバートの顔を見ました。
「リーゼロッテ様に関わることなのです。問題ないかと」
公王は「それもそうだな」と言って、書状からリーゼロッテに視線を移しました。
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