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誇らしげに告げるマリーの言葉に、私は雷に打たれたような衝撃を受けました。
私が、リーゼロッテを守る。
心の中で、カチッと音を立ててはまるような感じがしました。
そうです、何故今まで思い至らなかったのでしょう。
失うのが怖いのであれば、私が全身全霊をかけて守ればよいのです。
今度こそ大切な人を二度と失わないために。
私自身が後悔しないために。
「マリー、ありがとうございます」
マリーの絹のような髪を優しく撫でると、キラキラと輝く大きな瞳を細めて気持ち良さそうにしています。
「妹として当然のことを言ったまでですわ。それに、お二人はとてもお似合いですもの」
マリーのまっすぐで曇りのない言葉に感嘆します。
この身体に転生して本当に良かった。
おかげでこんなにも素晴らしい家族に出会えたのですから。
「兄上、今からでもお城に戻りますか?」
ミシェルが口を開きました。
その瞳は輝いており、期待に満ちています。
何をなすべきか決めたのであれば、行動は早いほうがよいのは確かです。
公王が提示された条件から、ディシウス王国の第二王子との婚約を承諾しようと決める可能性は、充分考えられるのですから。
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