第9章 「冬休み編」

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 私とリーゼロッテの護衛をするのであれば、確かに婚約したことを知っている必要はあります。  ただ、おいそれと誰にでも話せることではありません。  どこから情報が漏れてしまうか分からないからです。  その点、リビエラであれば代々公王家に仕えている点や、"顔なし"がリーゼロッテを襲撃した時の対応を考えれば、充分信頼できます。  ――リーゼロッテは新人戦や学園対抗戦でのリビエラしか知らないので、かなり戸惑っているようですが。 「え? え? リビエラさんがどうして私たちの護衛を? しかも私とアデルのことを知って……?」 「それは道中にお話致します。なにせディシウス王国までの道のりは長いですから。こちらにお乗りください」  そう言って、リビエラは黒塗りの大きな電磁車のドアを開けました。   「リーゼロッテ様。どうぞ先にお乗りください」 「そ、そうね」  私に促されたリーゼロッテが車に乗り込みました。  続けて私も乗り込みます。  通常であれば、先にリビエラを乗せてから最後に私が乗り込むのですが、彼女の役割は護衛ということですからね。  車の中は三人が乗り込んでもたっぷり余裕がありました。  私とリーゼロッテは隣同士に座り、リビエラは向かいの席に座りました。
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