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まもなく電磁車は音も立てずに走り始めましたが、まったく揺れることはありませんし、座席がふかふかなおかげで乗り心地は最高です。
リビエラはリーゼロッテにウェリントン家が公王家に代々仕える近衛騎士の一族であること、大きくなったらリーゼロッテに仕えるべく訓練を積んできたことを伝えました。
時間が経つにつれ、リーゼロッテはこの状況を受け入れていたのですが、一つだけ気になることがあったようです。
「うーん、最初に会ったときがあの喋り方だったからかしら。今のリビエラさんと話していると何だか違和感があるわね」
確かに。
あの間延びした話し方と、今の話し方ではまるで別人です。
リーゼロッテがそう感じてしまうのも仕方ありません。
リビエラは困ったような笑みを浮かべていました。
「そう仰られましても、私はリーゼロッテ様に仕える護衛として育てられてきました。そして今、一時的ではありますがこうしてお仕えすることになったのです。事情を説明したこの状況で言葉を崩すのは……それと、私のことはリビエラとお呼びください」
リビエラはプロ意識が高いようです。
いえ、今まで積み重ねてきた成果をみせることができるわけですから、張り切っているといったほうがよいかもしれません。
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