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リビエラは大きくため息を一つ吐いて、リーゼロッテの方を見ました。
リーゼロッテは白い頬だけでなく耳まで真っ赤に染めて、うっとりとした表情で私に身体を預けていました。
「リーゼロッテ様、リビエラさんには普段から護衛として接していただきますが宜しいですね?」
「はぁい……」
間延びした返事になっているのは、私が頭を撫で続けているからでしょうか?
「人前では自重してくださいね」
「もちろんですよ」
「じゃあ、私の前でも――いえ、やっぱりいいです」
リビエラは言いかけてから直ぐに否定しました。
「宜しいのですか」
「ええ、言ったところで無駄なような気がしますし。さて――」
言葉を切ると、リビエラは頭を下げました。
「これからよろしくお願い致します」
「はい。こちらこそよろしくお願い致します」
こうして、頼りになる護衛とともにディシウス王国へと向かうのでした。
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