第1章 出会い

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公園の中は木々が太陽の日射しを遮り、走るにはちょうど良い気温だ。 お気に入りの曲を聴きながら、少し速度を上げる。 10分ほど走ると、木々が拓けて小高い丘に出る。 そこで一度足を停め、ウエストバッグから水の入ったボトルを取りだし、少しずつ飲んでいく。 すると背後からタッタッタという足音が聞こえてきた。 振り向くと、ピンクのランニングウェアを纏った黒髪の女性が走って来た。 後ろでポニーテールに髪を結んだ彼女は、良く見ると日本人らしい。 『ハロー』 『ハロー、君は日本人?』 『ええ、私はカナです』 『僕はミッチ。ミッチ・マクブレイヤーだよ』 『はじめましてミッチ。近くに住んでいるの?』 『ああ、20分ほど戻ったアパートで一人暮らしだよ。君は?』 『カナと呼んで!私は日本から留学して来ているの。ちなみにスキットフィールド大学よ』 『そうか!僕も同じ大学だよ。それにしても英語が上手だね』 『ありがとう。留学する前に日本でかなり勉強したからだわ』 『ハハ!個人的に日本人女性は外国人と話すのに慣れてない価値観があったようだ』 『そうかもね、でも外国人が日本に来ると馴れ馴れしい価値観が私にはあったわ』 『お互いの価値観の違いだね』
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