第2章 ダニーの店で

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店のドアを引くと、カランカランとドアベルが鳴る。 ダニーの店にあるドアベルはアンティーク調の真鍮性である。 『いらっしゃい。やあミッチたちか。おや?そこのお嬢さんは?』 店主であるダニーは黒縁の大きなメガネをかけ、白い髭を生やしている。 温厚な性格で町のおじいさんと評判である。 『さっきランニング途中で会ったんだよ。カナって言うんだ』 『はじめまして』 『こちらこそはじめまして。日本人かな?留学生って感じかな』 『そうです。ミッチに誘われたんです。町でいちばん美味しいフレンチトーストが食べられると聞いたんです』 『ハハハ!ミッチは小さい頃からうちのフレンチトーストを食べていたからね。特別にサービスしようかな?』 『おいおい!俺とグレイシーも昔から来てるだろう!』 『ロブは食べられれば何でも良いんじゃないの?』 グレイシーのイタズラな笑みに、ロブは慌てて反論する。 『おいおい勘弁してくれよ!みんな酷いなぁ』 『ハハハ!さぁさぁ、新しいゲストと君たちには特別にサービスしてあげるよ!早く座ってな!』
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