良心に背き続けた男

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「どうして・・どうして・」 「ひっ!」 血の涙を流す常導神の顔が研次の眼前に迫ると彼は咄嗟にそれを拒み、両手で彼を突き飛ばした。 常導神の錘で重くなった体は後方によろめくが倒れず、踏ん張った反動で今度は逆方向につんのめる。その瞬間、体の重さに首だけがついていかず、彼の頭部は胴体から離れ、ぼとりと落ちた。 首の断面は研次に向いて無言の抗議のように鮮血を迸(ほとばし)らせる。 『~!~!~!』 声にならない叫びを起こしながら研次はなす術もなく地面に体を丸め、頭を抱える。 『助けて!・・助けて!!』 生温かい血が真夏の土砂降りのように研次へと降り続ける。 「どうして・・どうして・」 地面に落ちた常導神の首は苦しそうな声で研次の耳元に訴えかけ続ける。 『ひぃぃぃ!!』 次第に頭の中で研次の心の絶叫と常導神の声が増幅されて渦巻く。 自分の体が高速で回転するような感覚を覚えて気を失った瞬間、彼は元の椅子に座っていた。
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