良心に背き続けた男

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「・・どうです。彼の供述に間違いがありましたか?」 その声にはっとして顔を上げるとそこに常導神の姿はなく、穏やかな表情の岐司とその横に坊鬼だけが最前のまま位置している。 思い出したように視線を落とし、両手の平を自分に向けながら体を見たがそこには血の一滴もない。 「・・今のは一体・・?」 「夢や幻ではありませんよ。それと彼をあそこまで傷つけたのは紛れもなく貴方です。それを突き飛ばすとは感心しませんね。」 「あの・・私の常導神という人はどうなったんですか?」 「・・先程も申しあげましたようにここで死はありません。 それは常導神も同じです。尤も彼は瀕死の状態ですがね・・。 ただ、その傷を癒せるのは貴方しかいません。 どうか来世では彼の言葉に耳を傾け、一緒に歩んでください。それが徳を積むことになり、彼もそれで救われます。 ・・さあ、もういいでしょう。そろそろ次の人生の事を色々と決めていきましょう。」
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