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この頃にはもう自分は深い海底から研次を窘(たしな)める言葉を叫んでいるようなものだったと常導神は当時を振り返る。
『俺は結果を残している!その証が現在の富だ!』
研次はそれを誇りに邁進(まいしん)し、部下にもその生き方を強要した
。
結果を残せない者は会議で槍玉に挙げ、教育の名の元に振るわぬ営業成績を自答させ、反省を問い、文字にして読ませ、それをシュレッダーにかけさせるといったことを繰り返し、何度も自覚を問うといった拷問のような行いもあった。
当然精神に異常をきたし退社する者も出たが、悪運の強さからか研次に害が及んだことはなかった。
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