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暗闇の先に明るさを感じる。
『あれ!?・・元の世界に戻れたのか!?・・ここは真知子の家なのか?』
研次は立とうとするがそれが出来ずに思い出す。
『・・そうか、俺は今、虫なんだったな・・』
それを確認するように彼は這ったままの姿勢で光源へと走る。
“ゴオッ”と風が起こるほどに迅(はや)い。
匍匐(ほふく)前進をボブスレーの最高速で行うことが可能ならこんな感じだろうか。
体が軽い。
人間の時に感じたことのないくらいの体調の良さを実感する。
『ここは!』
彼は一瞬で明るさのある空間に出た。
地面はツルツルとしていてそれはすぐにフローリングと判る。
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