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彼女はゆっくり、そして静かに近づいてくる。
とてつもなく大きな気配が迫るのは正直怖いが真知子なら大丈夫だと思いこみ、研次は動かずに待つ。
真知子が膝を曲げて屈(かが)むと、その影に研次は覆われた。
「真知子、先に逝ってしまってすまな・」
“パァン!!”
瞬時にスリッパを右手に彼女は研次を打ちつけた。
彼女は普段、穏やかな人柄ではあるがゴキブリを殺せないほどヤワな女性ではない。
研次には何が起こったのか分からなかったが次の瞬間身体中に痛みが走り、時間の経過とともにそれは激痛へと増幅されてゆく。
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