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やがて研次はふわりとしたものに体を包まれると宙に浮かぶ感覚と痛みの中に仄(ほの)かな温かさを感じた。
“ドォン・ドォン”
再び地鳴りが響くが地面にない身体はその音だけを感知する。
真知子は手早くティッシュを何枚もボックスから抜き出し、忌むべくものを包み、トイレに向かっていた。
その温かさの感知が消えると同時に研次は便器へ落とされ水の冷たさを感じた。
『ガバッ!・・ゴボッ』
水は吐き出す間を与えず口中から体内へ突入し続ける。
“ゴォブアァァ~!”
真知子がレバーを捻ると鉄砲水のような轟音が唸り、渦と共に研次は暗闇に消えた。
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