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「往生際が悪いですよ。」
岐司がそれを読み取り、涼やかなものに憐(あわ)れみの表情を滲ませる。
「申し訳ありません。私がすべて悪かった!ですから何卒・・お慈悲を!・・お願いします!」
「やっと反省する気になったのですか?」
「はい!申し訳ありませんでした!!」
形振(なりふ)り構わず研次は土下座した。
岐司はこんな光景を見慣れている。
だが、これが本心であっても遅いのだ。
どんなに彼が悔やもうと岐司が罪を消すことは出来ない。
自分の罪業を贖(あがな)うことは反省で済むほど軽くはない。
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