プロローグ

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「黒須さぁーん。林さんと仲いいですよね?」 「あ、同期なんだ」 「林さんと話す時の黒須さんって別人みたい。そういう話し方も出来るんですねぇー。みぃるきぃともそうやって話してくれたらいいのに」 「み、みるきぃ?」 「私の名前。吉田みるくだから、みるきぃ。なんなら黒須さんも呼んでもいいですよぉ」 「あ、ぼ、僕は吉田さんのことをそんな風に呼ぶのは・・・、ちょっと・・・難しいというか、なんというか・・・」 「ふふふー、冗談ですよぉー。黒須さんって面白いー。あはっ、みるきぃ続きの仕事しよ。」 そう言うと吉田さんは元の仕事に戻っていった。 最近の20代そこそこの女子は、そういうしゃべり方で自分のことあだ名で呼ぶのか? 姉たちは恐ろしい生き物だし・・・吉田さんは宇宙人みたいだし・・・・・ 彩は、益々自分は女性と付き合うのは難しいのではないか。 幸せな家庭を築くなんて到底無理。 万が一、誰かと出会って結婚しても姉のような嫁の奴隷になるか、宇宙人のような嫁の相手を一生して宇宙人を生んでもらい育てないといけないのではないかと、途方に暮れた。
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