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仕事終わりで、みるきぃのおすすめの創作和食居酒屋へ一緒にやってきた。
女性と2人きりで食事するのも初めてだった彩は、職場ではそれなりに話しているが、緊張して話せないかもしれないと思い、真治も誘ったが、残業があるらしく遅れて合流という。
その間、間を繋げるか不安だったが、とりあえず、みるきぃに相談があるといった手前、真治が来る前にとりあえず呼び出した理由だけでも話すしかないと思った。
緊張の面持ちで彩は、目の前のみるきぃに話し始めた。
「あの…、吉田さん、実は…」
「今日の集合した理由をきかせてくれるんですよねぇ…」
「はい。恥ずかしいんですけど、今まで僕は人と付き合ったことなければ、恋をしたことがないんです。でも、そんな僕に初めて好きな人が出来たんですけど、どうしたらいいのかと…」
「はい?」
「ですから、初めて恋したんです。なので…どうしたらと。恋愛の始め方を教えてほしいなと思ってですね。吉田さんは、恋愛経験豊富と伺ったものですから……」
「黒須さんっ。あーーー、もう、黒須さんぽい。なんか安心しましたぁ」
みるきぃに手を握られた。急な出来事にビックリし顔が真っ赤になる。
どうにか、みるきぃの手を放そうともがいていると、ようやく手を放してもらえた。
「え?あ、よ、吉田さん…手。あ、安心?」
急なみるきぃの行動にビックリしつつも、彩は自分らしいということは、どういうことかと思った。
もしかしたら、彩が恋愛初心者ということを彼女はすでに見抜いていたということなのかもしれない。
急に自分の恋愛偏差値が低いことを知られてしまった彩は、恥ずかしくなり顔が真っ赤になった。その恥ずかしさを隠すために、みるき ぃ分のサラダを取り分けようとトングを持つ。みるきぃは、再びトングを持った彩の手を掴み、真剣な顔をしながら彩の目を見つめてきた。
「黒須さんが、もしですよ?私生活が爛ただれてたら、もうショックで一緒に仕事できないです。なので、私の思った人でよかったなぁーって」
「あ、あ…りがとうございますでいいのかな?僕、褒められてるんですかね?」
「ふふふ。褒めてるんですよー。で、恋してるんですね」
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