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「えーーーーー!!!ずるいです。なんで林さんは黒須さんの思い人と会ってるんです?みるきぃも見てみたい!27年間恋してこなかった黒須さんが落ちた相手ですよ。どんだけ魅力的かって話ですよ。絶対、身も心もイケメンです」
「あはは。そうだな。でも、俺も魅力的だと思うんだけどな。黒須のお眼鏡にはかなわなかったけどさ……」
「林さんも魅力的ですよ。みるきぃは、林さんで十分いいですけど、でも黒須さんの触覚には反応しなかったってだけですって」
「あ……、真治ごめ……」
「おまえな、あやまんな。俺がみじめになるだろーがっ」
みるきぃは、目を丸くしながら彩と真治を交互に見ていた。
「あー、林さんは黒須さんが好きだったのですね」
「あはは。まぁな。俺は、男しかダメだし。だから、黒須の好きな人が男しか好きじゃないなら少しは気持ちがわかるかもしれないけど、ノンケならわからないわー」
「えー、やっぱりですか。林さんは黒須さんの事好きだと思ってたんですよね。でも、男しかダメって、ちょっとーみるきぃは対象外じゃないですか!1mmもダメってことじゃないですか!」
「あはは。それは、ごめんごめん。吉田さんには他にいるって。可愛いんだしさ」
まさか、真治に告白されてこんな風に元の関係に戻れると思ってなかった。
そして、最初は自分をあだ名呼びするし苦手なタイプだと思ってたみるきぃも、とてもいい人で話しやすく、彩のことを親身に考えてくれる人ということも知った。
彩は、相手が自分を遠ざけていたと思ってたが、自分こそが人を見た目で決めつけて遠ざけていたからこそ、今まで友達もいなくて相談できる相手も出来なかった……。真治やみるきぃの優しさや、彩に対する真摯な姿勢を見てこの2人は、これからもずっと大切にしていこうと思った。
(僕って、今までの人生損していたんだな……)
自分が相談したいと集めた会で、相談ごとの解決策は見いだせないでいたが、3人で話しているこの時が、とっても幸せな時間のように彩は思いながら、二人のやり取りを少し楽しそうに微笑んで見ていた。
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