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みるきぃと楽しそうにやり取りしていた真治が、急に彩を見ながら真剣な声で話しかけてきた。
「相手の気持ちはわからないけどさ、お前はすぐギクシャクするし、逃げ出そうとするから、普段通りを心がけろよ」
「え?」
「そうだろーが、好きだからどうしたらいいかとか、頭の中で色々考えちゃって、自分は我慢したらいい離れようと思うだろ?俺の時みたいに。それだけは相手に失礼だし、お前自身の気持ちも消化しきれくなるから、それだけは気をつけろよ。それが、俺の助言」
「し、真治………」
「そうですね。2人の関係性はわかりませんが、みるきぃは黒須さんが抱いた気持ちを大事にしてほしいです。あと、相談ならいつでも乗りますしね」
彩は大きな瞳に涙を溜めて二人の顔を見た。
こんなに自分のことを考えてくれるなんて思わなくて、初恋をしてその知らなかった気持ちを初めて知ることが出来て、そしてこんなに温かい気持ちも知れてすごくうれしかった。
彩は二人の手をギュっと掴んでお礼を伝えた。
「2人ともありがとう。とりあえず普段通りを心がけてみるね。ネットで色々調べたけど全くいい答えが出てこなくてどうしようかと思ってたんだよ。2人に相談してよかった」
「お前、バカか?ネットで調べるとか。」
「ふふふ。黒須さんかわいい。そうですね。あっ、明日会社にいいもの持っていきます。恋愛初心者の黒須さんには少し役立つかもしれませんよ」
少しほろ酔い気分だった彩は、何度も何度も2人にお礼を言うと『お礼にありがたみがない』と窘められつつも、明日も会社だからと22時くらいに会社の最寄り駅で解散をした。
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