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「あ、あの・・・、遠慮とか」
「俺がいいって言ってるんだから、断るな」
(この人、さっきのメール社交辞令でその裏には嫌だって意味含んでるってわからないのか?)
「そ、そういうのじゃ。専務と飲みにいったりする意味がわかりません。接点もないし、僕はただの経理部の一員ってだけですし・・・」
「接点ならあるだろ、先週の金曜日」
「あ、で、でも・・・、ただの間違いなだけで」
掴まれた腕をどうにか振りほどこうとするも、握力が強くほどけない。
彩の顔は、みるみる青くなりプルプル震えていた。
(しつこいし、怖い・・・。しかも、専務だし適当にあしらったら解雇とか?)
「今日、予定は?」
「な、ないですけど。でも・・・」
「ないなら、行くぞ。」
「姉にDVD借りてくるように言われたので、家に・・・」
「そんなの、明日でもいいだろっ」
そう言うと、強引に手を引っ張られエレベーターへ連れ込まれた。
そのまま地下の駐車場へ連れていかれ、車に押し込まれてしまった。
こんなの、一歩間違えれば拉致だと彩は怒りがふつふつと湧き上がっていた。
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