長い夜

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********************** 結局彩は、激しい緊張のせいで普段より多めに飲んでしまったため、かなり酔いが回ってしまった。酔いが回るにつれ、結構ズケズケものを言った気がする。 でも、そのおかげかこの2時間ほどで、晃に対して抱いていた『嫌な奴』という印象は、少しずつ崩れつつあった。 確かに、上から物事いろいろ言ってくるけど、本当は表現下手なだけで、その中には好意や思いやりが含まれてるのかもしれないと思った。 そう考えると、この強面の御曹司もなかなか可愛いところがある・・・。 心を読み解くのは大変だけど、友達になってほしくて色々してきたのであれば、手を差し伸べてあげようかと思った。 「ふふ。専務、そんなに言うなら、僕友達になってあげてもいいですよ」 お酒が美味しいし、ふにゃふにゃしながら、机に肘をついて晃を見つめた。 晃は、そんな彩を目を細めて口の端を緩めながらみていた。 「ほんとうか?」 「だって、専務の友達って、秘書さんしかいないんですよね?仕事と関係ない友達になりましょ」 「黒須君も、一緒の会社じゃないか」 「でも、僕と専務は一切接点ありません。専務が経理部に来ない限り。きっと会社内で会わないんじゃないですか?」 「俺が会いに行ったら?」 「そ・・・それはやめてください。迷惑です」 晃の眉毛がぴくッと動き、眉間に皺をよせ彩をみた。 「迷惑?やっぱりお前は・・・」 彩は、否定を表すために首と手を大きくブンブン振った。
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