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泣きすぎて頭が痛かったのかと思ったが、結局あのあと熱が出てしまった。
寝込んで、そして自分の部屋で布団の中で身体を抱えながら閉じこもって今日で3日目。
朝「体調が悪いので2、3日休ませてください」と会社に電話してからすぐにスマホの電源も消して、外部からの情報もシャットアウトした。両親や姉が心配して部屋の外から声を掛けてきても、すべて無視をした。
家族に極力顔を合わせないようにトイレに行って、家族が寝静まった時に、もそもそ起き出して水だけ確保して最低限の喉を潤す。
……そんな3日間だった。
自分も恋愛ごときで会社を休んだり、最低なことをしているとは思っていたが、無理だった。会社のことを考えるだけで、晃の存在を思うだけで涙がとめどなく溢れてくる。
自分には、人との関わり合い、ましてや恋愛なんて無理だったのだ。
身の程知らずの恋なんかしちゃうからこんな結果になった。
なら、いっそ手放してしまえばあとは元の自分に戻るだけ。一人だったあの時に戻れば済むだけだ。
食べる気力も、喋る気力も、考える気力もない。
そして寝込んでる間、泥のように眠っていた時は、すごくラクだった。
考えることを止めることがこんなにラクだなんて……。
それなのに――。
水分なんてカラカラのはずなのに、ふとした瞬間に目に涙が溜まる。そして、瞬きをする度に涙が溜まった瞳が決壊し、頬を濡らすのだ。
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