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***
ことが起こったのは翌日。
すっかり体調も回復し、ふつうに動き回れるようになった颯真とは異なり、叶多はいまだベッドの中。身体も心も回復する兆しすら見えない。
少しでも早く元気になるようにと、寮生のみんなが差し入れてくれた、叶多の好きな果物やプリンを抱え、颯真が寮の自分達の部屋に向かった時。
ドアを開けると、叶多はまだ眠っているのか部屋の電気は消されたままだった。
「……叶多?」
いちおう小さく声をかけてみると、二段ベッドの上、叶多のいる場所で、もやっとなにかが動いたように見え、颯真は照明のスイッチを入れた。
「起きてるのか……?」
再度声を掛けようとしたところで、ふと颯真の動きが止まる。
何か違う。
そう思ったとたん、窓がいきなり大きな音を立てて開き、同時にカーテンがふわりとひるがえった。
「なんだよ……タイムスリップの次はポルターガイストか?」
低くつぶやいた次の瞬間、颯真の身体は金縛りにあったように停止した。そして、その目が一点を凝視して大きく見開かれる。
「……まさか…そんな……」
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