58人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
「逃げるぞ、泰雅!
あんなのに標的にされたら、命がいくつあっても足りないぜ。
あいつは戦っちゃいけない相手だ。
なぁ、泰雅!」
オレは彩斗に肩を揺すられ、ようやく我に返った。
逃げなくちゃ、殺される。
そんな人間が忘れかけていた本能が、オレの中で、目覚め始める。
オレはコンクリートに囲まれた都会に生まれて、人間が何者かに襲われて、殺されるなんてことが起きるなんて、思ってもみなかった。
オレの目の前にいる怪物が、何者であるか、オレにはわからない。
だけど、逃げなくちゃ……。
生きのびるために……。
最初のコメントを投稿しよう!