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ドラクロワの淀みなき栓抜きが急停止した。
「なん、だと?」
魔王のその血も凍るような美しい顔に輝く二つの紫水晶の瞳が、血に餓えたバンパイアも斯くあろうかと燃え上がった。
「よし!行こう!」
13話 それぞれの夜
海底のアビスダンジョンにどうやって向かうのか、またそこにどんな恐ろしい邪神の配下が待ち構えているか深く考えもせず、女勇者達は既にレジェンダリー装備を手にしたかのように喜んだ。
一行はもう一盛り上がりし、安酒場の上の階の宿屋へ今宵のねぐらを求めた。
マリーナが木の狭い階段を踏みながら
「一体どんな装備なんだろねー?アタシは楽しみで仕方ないよ!
あっ!でもさ、古代の初代勇者達の装備だよね?見付けたは良いけど、もう錆っび錆びのボロッボロでしたー、ってこたぁないよね!?」
後ろに手を組んで、厚底ヒールで階段を踏むカミラーはタメ息で
「無駄乳、無駄くびれ、無駄尻の愚か者。
時間の流れる力を取り込んで、永遠に性能を向上させるSSSレジェンダリーシリーズが、錆びたり朽ちたりする訳もなかろうが。
無駄にでかい尻を振りおって、そんなことも知らんのか?」
先を往くマリーナは部屋の鍵を鍵穴に差し込みながら
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