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「そうやね……」
こんなにあっさり説得されてくれる時点で、野々村さんの酔い加減がわかる。正常な判断力ではない。
つけ込むのはどうだろうと、偽善者ぶる気はない。
たった一度の過ちでも構わない。今ひいたら絶対に後悔する。
「じゃあ、再開な」
返事を待たずに、肩甲骨の形を確かめるように舌を這わせた。さっきより素直に声を出す。鼻から抜けるいつもよりワントーン高い声だ。
もっともっととせがまれることにも興奮はする。だが、声を抑え、控えめに体を震わす野々村さんが、愛おしくてたまらない。相手が好きな女だからか、声を聞いているだけで、いけそうな気さえする。
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