7009人が本棚に入れています
本棚に追加
抱きしめたい衝動に駆られる。野々村さんになりきれという言った手前、白蛇っぽさを失うわけにはいかない。
まだ、我慢だ。相変わらず、野々村さんは毛布を抱きしめている。
今まで、相手の求めに応じるのがセックスにおける俺の役割だった。自分がしたいと思うことをできずに、もどかしくなるなんて初めてだ。
もどかしいのに楽しい。野々村さんがやめられなくなるポイントを探す。どこかにゴッコであることを忘れる場所がある。
肩甲骨からわき腹の方へゆっくりと舌を這わす。背中と臀部の境目をなぞると「ひゃっ」と短く声をあげた。
その場所を集中的に攻めてみる。反応が違う。逃れようとして身をよじった。
俺は後ろから、両手で腰を押さえた。舐めるだけでなく、軽く歯をたててみる。
悲鳴にも近いあえぎ声が闇に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!