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心から悪いと思った。自分で巻き込んでおいて、さっさと忘れて、このままうやむやにして何もなかったことにするなんて、私らしくない。
やってしまったことはやってしまったことだ。
どんなに恥ずかしくてもちゃんと受け止めて、荻原さんにも謝りたい。
「ヒント……自分で思い出すから、ヒントをちょうだい」
荻原さんが面食らっている。
「ヒントって、まんま話すより難しいやんか」
手のひらで額を押さえて考え込んでいる。
「ゴッコの名前言うたらいいか?」
ため息をつきそうになる。また『ゴッコ』か。
「もう、それでええよ」
荻原さんが「待ってや、思い出すから……あれは、ベタ塗り手伝わされたし、結構内容も知っとって……」
ベタ塗りって……かれん先生がらみのようだ。しかし、原稿の手伝いまでするとは思わなかった。こっちが解決したら、次はかれん先生の情報収集をしなければ。
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