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思い出せなくても、言われれば、感じまくった気がする。さっき、肌艶が良かったのは、女性ホルモンの影響かもしれない。
「あんだけ奉仕したのに忘れられて……。しゃーないし、野々村さんのことは、すっぱり諦める」
なんでそうなるの? と思ってしまった。突然のことに私も混乱しているらしい。
「わざわざ、付き合いたいとまで思っとったわけやないけど、野々村さんが独りなんに、ホッとはしとった……」
そんな風に思われているとは気づかなかった。
「嫌われてるかと……」
「それは、好意を見せると、自分が拒絶するからやんか」
「そんなこと……」
あるかもしれない。
「とにかく、もう諦める」
これがせめて七、八年前ならどうにかなったかもしれないが、今更ではある。別に一晩で荻原さんを好きになったわけでもない。友達にはなりたいとは思う。
「せやからセフレになろう」
「はあ?」
予想しない一言に椅子から転げ落ちるかと思った。
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