夢の途中

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夢の途中

 ゴールデンウイーク中は結構アポを入れた。明けたら荻原さんと旅行へ行く。  明日は『昭和の日』だ。営業所にお客様が来てくれる予定なので、準備をしてから帰ることにした。  沢村君が帰る支度をしている。 「今日は店じまいなんや」 「まあそうですね。異業種交流会があるので、一応見込み客を探します」  そういえば、飲み会の日に誘われていた。 「そうだ。みてください」  沢村君が箱から指輪を取り出した。薬指にはめる。 「どうです? 既婚者っぽいですか?」 「バッチリ!」  魔除けだと言っていた。女嫌いなのかもしれないし、単に仕事に集中したいだけかもしれない。確かに仕事の妨げになる付き合いもある。指輪で女の子を遠ざけるようにアドバイスをしたのは私だ。だけど、こういう形で遮断するのはよくないと今は思う。
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