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「北本さん、これプレゼントです」
「キョーコちゃん!嬉しい!覚えていてくれたんだね」
嬉しそうな表情の彼に私はニッコリと笑って当然ですよと言い切った。
「2人の特別な日は全部覚えてます!今日は北本さんと初めてお買い物デートしてから...」
「50日だね!」
私たちの声はぴったりと揃う。
「そうだよ!それにこのプレゼント...お揃いのTシャツを買ったお店のものだね!」
思った通りの相手の反応に私はとっても満足だ。
もちろん『初めてお買い物デートして何日』だなんてそんなこと私が覚えているはずがない。
彼にとって『特別』な今日という日は、私にとっては『月にたった1回しかない燃えないごみの回収日』でしかなかった。
まあ...それもある意味特別な日だが。
とにかくもう何も心配いらない。
このアプリで私は他人の『特別な日』を把握できるのだから。
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