第一章:一日目と1803回転前

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「俺の学校にもあるよ、そういうの。っていうか、ミサト、何か学校であったの?」 「イヤ、私は上手く、そこら辺を渡りあってるから・・・ただ、他のクラスではイジメみたいなのもあるみたいだし。悲しいよね」 「狭い世界だと、その中で自分を上に見せたいヤツがいるんだよ、必ず。そういうヤツは人を見下して自分が安心したいんだろうね」 「イジメって、直接、暴力とか肉体を攻撃したりするのもあるけど、精神的な攻撃がねぇ・・・イジメられる側は、嫌われたり無視されたりするわけじゃん。その人の存在すら無かった事にしようとする・・・そんな辛い事ってないよ・・・」 ミサトがこういう話をする事って今まであまりなかったと思う。 ひょっとしたらミサトは学校で友達と上手くいってないのかもしれない・・・。 少し、ミサトが心配になったけれど、自分にはその時、深く聞く勇気が無かった。 「例えば、今観てるこのカビだって絶対、みんな、人間は嫌がるじゃん。それが当たり前なんだろうけど・・・、でも、こんなにも近づくと・・・凄く綺麗だよね!別世界だよ!」
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