エピローグ 22歳 10月

6/11
前へ
/129ページ
次へ
テレビを観ながらご飯を食べる。 毎日メールや電話をしていたが、直接会うのは久しぶりなので少し気恥ずかしい。 「昨日は路上ライブしてたら、初めてレコード会社関係の人から名刺もらったの!」 「へ~すごいなあ。久しぶりに尚子の歌聴きたいな。」 「いいよ!」 そう言って尚子は部屋の片隅に置かれたキーボードを運んできて、目の前で演奏してくれた。 近所迷惑になるため囁くように歌い始める。 以前、カラオケで歌っていたいきものがかりの曲だった。 透き通るような歌声に鳥肌が立つ。 やっぱり尚子は上手だ。 …きっと尚子は歌手になれる。 何故か確信が持てた。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

242人が本棚に入れています
本棚に追加