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並んで歩く南を見ながらそんな事を考えていると南が誰かを見つけたようだ。
「おーい尚子ー!」
少し離れた場所にいたその人は、自分の名前が呼ばれたことに気付き周りをキョロキョロと見回した。
「尚子こっちこっち!」
南が手を振りながらもう一度呼ぶとようやく気付きこちらに近づいてきた。
すごく綺麗な子で私は思わず見入ってしまった。
「おはようございます!」
「おはよーどう講義の方は?慣れた?」
「いや~まだ全然わからないです~」
敬語で話しているということは1年生らしい。
仲良さそうに話している2人を交互に見ていると、その子が私にペコっと会釈した。
私もつられて会釈する。
「あ、そうそう、この子は同じ寮生で尚子っていうの。1年生ね。」
「鳳至尚子です。保育学部の1年です。」
「ふげし?すごい苗字だね。」
「ふふ。よく言われます。」
私の目をまっすぐ見て笑ったのでドキッとした。
その時予鈴がなった。
「やば!遅刻する!尚子じゃあねー!若葉急ご!」
「はい!また~」
鳳至さんは私たちとは反対方向に走って行った。
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