19歳 4月 新入生

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人見知りな上に喋り下手な私がほぼ初対面の後輩と2人きり… 私にとってこの状況は苦痛な筈なのだが、今回は何となく嫌な感じはしなかった。 「えっと、鳳至さんだっけ?ごめんね、私の方に付き合わせちゃって。」 「全然大丈夫ですよ。怪我で練習できないのつらいですよね。あと、私のことは尚子って呼んでください。」 「尚子…ちゃん。」 「ふふ、呼び捨てしてください。若葉さん。」 …!名前覚えてくれてる。 「じゃあ…尚子。私の名前覚えてるのすごいね。あんだけ人数いるのに。」 「覚えますよ~。南さんも呼んでましたし若葉さんかっこいいですもん。」 どきっ 「かっこいい」というフレーズはちょこちょこ聞くが尚子から聞こえてきた響きは、いつものと少し違って聞こえた。 「今朝初めて会ったとき、南さんが若葉って呼んでて、いい名前だなあどんな苗字なんだろって考えてたんですよ。で、自己紹介されてて佐倉若葉って、若葉さんにすごいぴったりだなあって思いました!」 「ありがとう。照れるな~」 恥ずかしくて尚子の顔が見れず、下を向きながら歩く。 自分のことを考えてくれていたことが嬉しい。
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