19歳 4月 新入生

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「あ、若葉~トレーニングおつかれ」 花子も途中合流してたらしく、グラウンドのバックネット裏のベンチに座ってこちらに手を振る。 花子を見た尚子は目をパチクリとさせてから緊張した面持ちで挨拶した。 「こ、こんにちは!保育1年の鳳至尚子です。マネージャーをさせていただきます。よろしくお願いします。」 「沙耶香から聞いたよ。同じく保育2年の木村花子です。一緒にマネージャー頑張ろうね。てか鳳至さんってすごい苗字だね。」 「それ若葉さんにも言われました。」 「え~若葉と一緒なこと言ったの私。やだー」 おーい。 心の中で突っ込む。 尚子を見ると笑っていた。 楽しそうだから、まあいいか。 花子との挨拶が終わった尚子がすごい勢いで私に耳打ちしてきた。 「若葉さん、花子さんってめっっちゃ美人ですね。あんな綺麗な人初めて見ましたっ」 「でしょ。一緒に住んでるんだけど、周りの嫉妬がすごいんだよね。」 「え!一緒に住んでるんですか?!すごい、楽しそうですね。」 自分について褒められているわけじゃないが、花子のことなので素直に嬉しい。 興奮しながらコソコソ話してくる直子も初々しくて可愛かった。 それから監督が来て全員集合しミーティングを行ってから今日の練習は終わった。 「若葉さん、連絡先交換しましょ。」 部室に戻ったら尚子から聞いてきてくれたのでありがたく思いながらお互いの連絡先を交換した。 尚子は1年、2年全員の連絡先を自分から聞いていた。 社交的だなあ。素直に感心する。 私は1年の何人かに連絡先を聞かれ交換し終えると、花子と一緒に部室を後にした。
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