19歳 6月 大会

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練習が始まり、久しぶりのキャッチボール。 やはり肩は落ちたし感覚に違和感があるが思ったよりもだいぶよく投げられたことに自分で感動する。 ボールを投げるって楽しい。 やっぱ野球が好きなんだな。 ノックが始まり、ボールを追いかけて捕って投げられる幸せを噛みしめる。 ふと外野を見ると、グラウンドから少し離れたところから女子が大勢見学していた。 前から何人か見学している人はいたが今日はやけに多い気がする。 「あそこで見てる子達みんな若葉目当てだね。今日復帰するってどこで知ったんだか。」 「え、嘘でしょ。」 沙耶香から外野返球とともに言われたことに驚く。 「だって若葉が個人練習してるときは全然いなかったもん。若葉、喋らず野球だけやってたらほんとかっこいいもんね。」 「……それ褒めてんの?」 おそらくけなしてる方が大きいだろう。 応援してくれるのも嬉しいが、また何日かしたら飽きるだろうとも思う。 自分のことだと言われても他人事のように感じてしまう。 こんな風に考えてしまう自分が嫌いだった。 私はなるべく見学人を気にしないようにしながら練習に取り組んだ。
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