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身支度を済ませて2人でアパートを出て駅に向かう。
短大は小さい山の上にある。
そんなに距離があるわけでもないので私はたまに1人で走って通うが、花子と一緒のときは彼女に合わせてバスに乗る。
「あっ、木村さんだ。きれい~」
「可愛い…。」
バス停に着くと周りからは花子に対する憧れの声が聞こえてくる。
花子は美人である。とてつもなく。
高校のときから既に相当な美人で学校一と言われていたが、短大に入り髪を染め化粧をしたことでさらに目立つようになった。
身長は私より少し小さめの157センチ。男だったら思わず守りたくなるサイズだと思う。
短大に入ってからも花子に告白する男は絶えない。
1年間で何十人に告白されたんだろう。
モデルだと言ってみても、誰もが納得するだろう。
そういえば高校の修学旅行で東京に行ったときには実際にスカウトされていた。
そんなモテモテの花子の隣にいつもいる私のことを、周りは羨望と嫉妬の目で見てくるのだ。
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