奇妙なシェアハウス生活

勘違い同居

「待ってくれよ。確かに食い逃げは悪いことだよ。でもこのオジサン（犯人）の姿を見てくれよ。今日食う金も無いようなみすぼらしい恰好で、体形もガリガリだ。止むに止まれず食い逃げをしちゃったんだろ。このまま何も食わなかったら、オジサン死んじゃうよ。俺がこのオジサンの食事代を払うからさ、今日の所は俺の顔に免じてオジサンを許してやっては下さい」

　と言ったのである。

　それを聞いた定食屋主人は、兄ちゃんがそこまで言うなら…　という感じでトーンダウンした。

　それを見て大塚は、食い逃げ犯のオジサンを起き上がらせて、

「もうこんな事しちゃ駄目だよ？」

　と言って、オジサンを開放してやった。オジサンは涙を浮かべて何度も何度も大塚に頭を下げながら、申し訳なさそうにその場を立ち去った。

　それを見て居たルパンも、（大塚刑事は人情派のデカなんだなぁ～）と、ここは大塚刑事に免じて見逃してやろうと決めた。

　しかし主人以外で暴力を振るっていた男たちが、そのやり取りを見聞きして口を開く。