勘違い同居

7/8
前へ
/16ページ
次へ
「はいはい、ご主人たち、ではこうはどうでしょう?彼は此処に置いて、ご主人たちに見張って貰います。その間に私が家に戻って、彼の貯金から必要な金を持ってきます。それでお支払いするという形で如何でしょう?」  主人たちは少し考えたあとに、 「おう、それなら良いよ。でもあんたが戻って来なかったら、このお兄ちゃんはどうなっても知らないぜ?」  そう聞いて、ルパンは大塚にも了解を求める。大塚も首を縦に振ったので、人質みたいな形にはなるが、ルパンが大塚を助ける事になった。  そしてルパンは大塚の貯金している金庫の場所と暗証番号を聞くと、大塚をその場に置いてシェアハウスへと戻って行った。  ルパンの姿が見えなくなった途端に、大塚は不安に駆られた。  だって同居を始めてだいぶ慣れたとは言っても、自分たちは人を騙して詐欺を働く悪人集団だ。  しかもルパンはその幹部で、怪盗を意味するルパンなどと名乗るほどの名うての幹部。良い人である筈がないのだ。今回の事を、これ幸いと、自分の貯金を全て奪ってそのまま消えてしまう事だって有り得るのでは?と思い始めたら、不安で不安で堪らなかった。  果たしてルパンは戻って来てくれるのだろうか?
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加