刑事と怪盗?

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 デカ長がルパンの肩をポンと叩いて、そう声を掛けると、今回のヤマはルパンを中心に捜査を進めるという二係の方針が決定した。  二係の内偵捜査で、詐欺集団のアジトの一つは、彩魂県との県境にあるシェアハウスだと言うことが判明している。  アジトには、詐欺の全容を知るような幹部は居ないようだが、掛子(カケコ)出子(ダシコ)の末端構成員が、アルバイト感覚の住み込みで働いているらしい。  そんな中、このアジトに近々幹部の一人が住み込みで活動し始めるという情報をキャッチした。今回の潜入捜査では、このアルバイトに応募した態でシェアハウスに侵入し、何とかこの幹部とのやり取りが出来るようになって、組織の仕組みを知ろうと言うことだった。  この潜入捜査には、万座署の刑事も潜入する手筈になっているとの事だったが、お互いに身分を隠して活動するために、情報漏れを防ぐのにお互いに余計な情報や正体は明かさない、という段取りになっていたのだ。  その幹部がいよいよ引っ越しをしに来るという情報を聞きつけ、その日にちに合わせて、上村が詐欺グループの表向きのアルバイトに応募した。  アルバイト自体は切羽詰まった人間が良く来るからだろうか?日雇い労働のように大して身分照会もせずに採用が決まった。勤務地として我々が行こうとしているシェアハウスを指定された。
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