勘違い同居

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勘違い同居

 怪盗と刑事(実際は逆)の不思議な同居は、お互いの勘違いから起こった事だったが、何故このようになってしまったかと言えば、共同捜査をする筈だった彩魂県警万座警察署の刑事係が抜け駆けを行った事が原因だった。  このアジトへ近日中に来る筈だった詐欺グループの幹部を、万座署は一足先に居所と証拠を突き止めて、ルパンが所属する今泉署に知らせることなく勝手に逮捕してしまった。  警察は県警や警視庁同士、警察署同士での縄張り意識が強い。だから共同捜査とは言っても、相手を出し抜くチャンスがあればいつでも抜け駆けをしてしまうのである。  しかも今回は捜査本部を置いての合同捜査、のように大々的に行われている物では無くて、あくまでそれぞれの署が極秘に進める潜入捜査だった。  それなので、外部には捜査している事は知られて居ないので、もし今泉署が抜け駆けに気付いて騒いだとしても、万座署が『共同捜査など話し合っていない』とシラをきれば、今泉署はあとの祭りだ。万座署も今泉署がこのように文句を言えない事を解って、抜け駆けをしたのだろう。     
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