勘違い同居

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 例えば“パクる”という言葉だ。  “パクる”は、警察では『逮捕する』という意味で使う。  普段の癖で、逮捕するという意味を“パクる”という表現で会話したのだが、何だか会話の内容からしたら変な反応なのだ。 「この間、あそこの〇〇が何処々々にパクられたらしいですよ」  とルパンが話しかけると、 「え!?〇〇って何かの漫画家か何かですか?」  と訊いて来た。 (え?漫画家?)  と頭の中でクエスチョンマークが沢山出て来て、思わず、 「漫画家って何ですか?」  と訊いてしまった。  実は、警察ではない大塚は、“パクる”という言葉を、『盗む』だと思ってしまったのだった。  一般人はよく、アイデアを盗む事を“パクる”と言う。だからパクられた〇〇は漫画家とかクリエイターとか、アイデアで仕事をしているような人間だと思ったわけだ。  このようにして、お互いに勘違いし合っている二人は、同居している中で違和感を感じる事が多かった。  しかしお互いに同居する中で、お互いの人となりも知るようになってきた。  そんな中での「昼食に行きませんか?」だった。  いつもの違和感を感じつつ、二人は昼食を済ます為に外出した。     
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