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「茜もあやめも転校してすぐ仲良くなったよね。それまでは近づいてはいけないイケメンだったのよ。」笑いながら言うひまりちゃん。
「私は友情のが強くて恋愛にならなかったかな。あやめと敵対しなくてよかったわ。」
「あのう…。まだ恋愛になってないんですが…。」
「はぁ、裕くんの見てたらどこをどうみてもあんたの彼氏じゃんか。」
「でしょ。これでまだ付き合ってないっていうんだから。」
「だって、本当なんだもん。」目を伏せる。悲しい…。
「裕が告白される度に、私の彼に近づかないで。っていってるじゃん。」
「あんたが告白されても、裕がかばいにいくしね。」
「…。」ぐうのねもでない。
「でもよかったでしょ。私達の演出。」
「あやめの為だったんだけど…。どっちかと言うと唯ちゃんのためになったけどね。」
唯ちゃんを見る。椿と楽しそうに話している。もう恥じらいはないようだ、
私は…。裕ちゃんをみる。相変わらすたそがれている。
「ありがとう、あかねちゃん、ひまりちゃん。」
私は裕ちゃんのそばにむかう。
「なに考えているんですか?一人で。」
「流石に女の子3人のとこに居づらいでしょ。」
「確かにね。」私は裕ちゃんの隣に座る。
「ねぇ、嶋田くん。あかねちゃんやひまりちゃん怒らないでくださいね。」
「んっ?あいつらは新技の『富士山』の実験台になってもらう。」
富士山?またわけのわからない技を考えたのね。
クスッと笑って「でも、私は楽しいですよ。こうやって男の子とお風呂にはいるなんてありえないと思ってました。でも嶋田くんに頭を洗ってもらったり貴方の背中を流したりなんて…。楽しいし、幸せです。」
ぽふっと裕ちゃんの肩に頭を置く。
「確かに楽しかったかな。」裕ちゃんもわらう。
「けど、今日は大胆だな。あちらの視線はいいのか?」
はっとなる。そうだ、ここには私達だけじゃなかったんだ。
あちらでムフフな目で見てくる親友たちの視線に赤くなりながらも、裕ちゃんの肩から離れられない私。
はぁ、幸せ。親友たちの悪巧みによる人初のドッキリは、お風呂の幸せでした。
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