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黄金色の雲が降りてきて
錆びたペダルで追いかけた
あの鉄塔の向こうまで
あの鉄橋の向こうまで
素人ランナーが走っていた
季節を感じさせない その姿
吐く息は 既にもう白い
弾む靴は 重く見える
ポッケに入れたリップを薄く塗って
僕は 来る冬を追いかけた
薫りのしない風にあおられ
季節のない風にあおられ
コンビニに寄ってホットを買って
湯気の立つカップ 両手で持った
天使のはしご 降りてきた
天使のはしご 落ちてきた
黄金色 輝く雲の下
錆びたペダルで追いかけた
あの青春を想いだして
あの十代を想いだして
素人ランナーはくたびれた
ブレーキのききの悪い 自転車で
ブレーキのききの悪い 自転車で
それでも僕は走り続ける
錆びたペダルで追いかける
あの頃を想いだすため
あの頃を取り戻すため
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