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インターホンの会話が終わって、オレたちは改めてドアを眺める。
ちらっと悠美を見てみると……やっぱり笑っている。
オレのチラ美……いやチラ見に気づいてないようなので、視線をまたドアに戻す。
そして、ドアが静かに開いた。
玄関に女の子が一人……そう、琴実が立っていた。
髪が腰くらいまで長いものの、しかし絡まることなくふわっと揺られていた。
(あんなに髪伸びるほど……)
オレたちは立ったまま琴実を迎える作戦になっていた。琴実ともばっちり目が合った。
「いってきまーす」
琴実が家の中に声を響かせていた。あ、おばさんも出てきた。
「いってらっしゃーい」
オレたちはおばさんにもいってきますをした。その間に琴実がこちらに近づいてきた。
(あれ、こんなに近づいてきたのにセリフなしっスか?」
琴実はうれしそうな表情をしている。悠美も笑顔。オレ~……は、どういう顔してんのかわからないが、もちろんうれしい。
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