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今日は特別な日だ。
その日は昔、世界各地で隕石が大量に墜ちて、【星の日】と呼ばれるようになった。
「ね、健ちゃん」
ある国の女が甘い声を出し、
「なーに?はるちゃん」
男も甘い声を出す。
多くの人が死んだ、地球最後の日。
「今年もまたよろしくね♪」
人々の頬は空に映る赤と海を照らす赤に染められて、誰一人死んだことなど気付かずに、
「うん!もちろん!」
燃えるような日の出に隠れて、また、たくさんの隕石が落ちた。
それは、もはや塵となった地球の中で何度も繰り返される魂の名残。
他の星に住む者たちに【星の日】と呼ばれる、あっけなく散ってしまった地球という名の【哀れな星の日】。
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