おるすばんぼうえいせん

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 今日はボクにとってとても特別な日だ。 「じゃあ、ママとパパは出掛けてくるから、お留守番お願いね」  きれいな洋服を着たパパとママはボクにそう言ってきた。  パパとママは大事な記念日に二人っきりでデートをするのだ。でも、小さなボクがいるから最初は二人とも悩んでいたけど、ボクだってもう一人でお留守番出来る歳だから大丈夫だよといったら、パパもママも安心したみたいだ。 「いい? ママたちが帰ってくるまで玄関の扉を開けてもいけないし、勝手に外に出てもダメだからね。おうちで大人しく居てね」 「うん。分かったよママ」 「お留守番が出来たらご褒美にお土産買ってくるからな」 「うん。待ってるよパパ」  ボクはブンブンと手を振って、パパとママを見送った。  ガチャンと扉の鍵が掛けられた音が聞こえる。  さて、この家の中にはボク一人だけになった。  パパたちが帰ってくるまでボクがこの家のたった一人の隊長なのだ。  ボクはおもちゃ箱から戦隊ものの銃を取り出した後、タンスから大きい風呂敷を取り出して、マントのように羽織った。 「ふふん! これで完璧」  この家を護るパトロール隊員に変身したボクは、家のあちらこちらを見回り始めた。 「キッチン。異常なーし!」 「お風呂場。異常なーし!」 「みんなの部屋。異常なーし!」  悪い怪人が忍び込んでないかチェックをしながら、家中を歩き回ったボクは、リビングにちょこんと座り、ママが用意してくれたおやつのカップケーキをテーブルの上に置いて、冷蔵庫からりんごジュースをとりだして、コップと一緒に置いた。  怪人が攻めてこないように監視準備はカンペキだ。  ここ待っているだけなのは暇だから、パパと借りにいったDVDのアニメでも見よう。とリモコンを手に取ったそのときだった。
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